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夕暮れ時、薄暗い校舎の中に人気はない。
沈みかけの夕日とキャンプファイアの炎の灯りが窓ガラスから廊下を照らしている。
「あー、もう、教室に居てよ。佐伯!!」
自分の足音が響く廊下。
静まりかえった校舎は、何だか怖くて、早く佐伯を見つけてグラウンドへ戻りたい。
自分の足音さえ聞くのが嫌で、そーっと進む。
そうして、指導室を過ぎるとあきの教室が見えてくる。
電気はついていないけれど、数人の話し声が聞こえてくる。
先生にばれないように暗い中にいるのだろう。
ドアの手前までやってくると、声の主が数人のクラスの男子であることがわかる。
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