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「やっぱさー、ゆいちゃんでしょ!!」
「まあ、このクラスじゃ断トツだな」
「嫌々、学年じゃない?」
集まれば異性の話。そういうところは、思春期の男子も女子も同じである。
それにしても話題はゆいか。
確かに友達の欲目が無くても、ゆいは綺麗で可愛い。
うんうんと頷きながら、思わず微笑む。自慢の友達、褒められればやっぱり嬉しい。
「佐伯はどお?」
えっ、佐伯?
「あっ?」
確かに佐伯を探しに来たんだけど。
この中に佐伯がいるとは思わなかった。
「この中じゃ佐伯が一番ゆいちゃんと喋るだろ」
「俺?」
「またまたー、ゆいちゃんは何かとお前に話しかけてんじゃん」
ゆいと佐伯、確かに話はしている。
けれど、それはあきに対する佐伯の態度へのクレーム的なもので......。
あれが、仲良く見えるかと言ったら、決してあきにはそうは見えなかった。
「お前さどう思うわけ?」
「そうだよ、お前もゆいちゃん狙いか?」
この内何人かはゆい狙いなのだ。
「どうって、別に顔の造形は悪くないんじゃね」
佐伯の声は対して興味が無さそうにも聞こえるが......。
「かー!!やっぱ、お前もか」
えっ?それってそういうことになるの?
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