体育祭の当日は。

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「じゃあさ、もしかして内藤にちょっかい掛けてんのもわざと?」 「そっかー、確かに。内藤とゆいちゃん仲良いし、内藤構えばゆいちゃんが出てくるって?」 「佐伯、あざといなー」 「嫌々、それいうなら流石だよ」 クラスメート達は口々に勝手なことを言う。 急に渦中に放り込まれた形のあきは、教室に入るタイミングを完璧に逸してしまった。 『どうして、私ってこう間が悪いんだろう。この前から立ち聞きばっかり......』 そう心の中で呟くが、現実は息をするのもままならないほどに、佐伯の言葉を待っていた。 『お願いだから、違うって言って。ゆいが好きな訳じゃないって』 「で、佐伯、本当のとこはどうなんだよ」 「別に」 佐伯は興味無さげに一言。 否定に近い曖昧な返事ともとれる。
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