体育祭の当日は。

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「やー、ゆいちゃんは高嶺の華?何だかんだ言ったって俺には無理めかなーって」 だから、私ならいけるって?これって馬鹿にしてる。 私なら断らないって? 「まあ、まして佐伯が相手じゃな。だから、俺は内藤って、妥当じゃね?」 更に続ける声の主に苛立ちをつのらせた声が聞こえてきた。 「お前なんて、誰もいけねーよ!!」 佐伯だ。 「おい!!それってどういう意味だよ!!馬鹿にしてんのか?」 佐伯に言われた相手も流石に腹がたったようだ。 「まんまの意味だよ」 佐伯の突き放したような声が聞こえると同時に、椅子がぎーっと動く音がした。 「おい、佐伯!!待てよ。おい!」 追いかけてくる声を無視して、スタスタと歩きだす音がする。廊下の方へ近づいてくる。 ヤバイ、佐伯が来る。 「お前だってこすいことしてるくせに、人のこと言えんのかよ!!女子に向かってブスなんて中学生でも言わねーよ!!」 最後の言葉に、教室の戸に手を掛けた佐伯の手が止まる。 その隙にあきは隣の教室の中へと入り込んだ。 「そうだな......」 佐伯は掠れた声で自嘲気味に呟いた。
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