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「もう来てたんだ。早いね。」 私が椅子を引きながら言うと、細井君はなんだか疲れたような寂しいような笑顔で言った。 「早くに目が覚めちゃってさ。」 細井君が言い終わるのとほぼ同時に、店員の女の子が水とおしぼりをテーブルに置いた。 「ご注文、お決まりでしたら伺います。」 「アイスを。」 女の子の接客は、決して愛想がいいとは言えないものだったけど、私は少しだけ高めのトーンで答えて、胸の中のザワザワを押さえ込んだ。 「かしこまりました。」 女の子は、やはり愛想のない声でそう言うとカウンターの方へ歩いて行った。
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