159人が本棚に入れています
本棚に追加
細井君が出て行った後、取り残された私は、店内の人の視線に気付き、ストンと腰を下ろした。
コソコソと声が聞こえる。
やめて!
やめて!!
やめて!!!
いたたまれなくなって、店を後にした私の足は、カフェから見える海岸沿いの公園へと向かっていた。
ベンチに腰を下ろす。
空も海も綺麗な濃い水色だ。
ずっと前に細井君と見たのと、同じ色なのに…。
「なんで…?」
今更涙が溢れてきた。
「細井君、どうして私じゃいけないの?どうして近くにいさせてもくれないの?」
最初のコメントを投稿しよう!