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「そして桜が枯れたことにより造られた存在の義之くんは消えかけた。そこまではわかるよね?」
俺は再び頷く
「でも消えてない。何故だかわかる?」
「それは…」
先程から感じる妙な違和感。
嫌な予感がする
「………アイシアの魔法で義之くんの存在は固定化されたの。…でもね、魔法で固定化出来たのは義之くんの意識だけ。そして魔法の代償として…」
予感が確信になる
「アイシアは自分の身体に義之くんの意識を移して…自信の意識は消失したの」
「そん……な…」
アイシアの声で愕然とする。
「ボクにはどうしようもなかった…2人を助けられなかったの…」
さくらさんが涙を流しながら俺の両肩に手を置くと視線を落とした
「ほんとに……ゴメン……ね…」
布団にポツポツの涙の跡がつく
「……さくらさんは悪くないですよ…」
「ううん、ボクが…」
言いかけてグッと口をつぐむ。
"ボクが義之くんの存在を願ってしまったから。"
それを俺自身に言いたくないからだろう。
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