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カラン、カラン……
涼しげな鈴の音に招かれ……
近所の喫茶店に入り綾人はカウンターで注文を済ませ……
テーブルを物色しながら時雨に目をやると一言…………
「……エロ本の取り合いで叫ぶなよな……」
エロ本てさ……
しかも叫んでないんだけど……
言葉にして否定はしなかったが……私は心の中で呟いた。
「小説家目指してて……」
「それで……影山先生の新作取られそうだったからさ……」
私はチラチラと綾人の様子を伺いながら答えた。
「……小説書いてんのか……??」
「ペンネームは……??」
……綾人さんって意外に小説に興味あるのかな……??
「ペンネーム……??」
「ローマ字でSigureだよ」
私はアイスティーを飲みながら答えたんだ。
「Sigure……??」
「……ひねり無いな」
まぁ……そうだけど……さ……
アイスティーにガムシロップを足しながら私は無言で不機嫌になったんだ。
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