169人が本棚に入れています
本棚に追加
「……一体俺に何をして欲しいんだ?」
よりにもよって見られたのは彩崎だし、…………はぁ、考えるだけ憂鬱だ……。
「やだなぁ。さすがに僕もそんなに腹黒くないよ。それに今日も水葉ちゃんとラブラブデートなんでしょ?その割には水葉ちゃんの姿が見えないけど……」
「そんな仲のいいもんじゃねぇって」
実際は俺があちこち連れまわされて重い荷物持ちをさせられる挙句、夜は筋肉痛確定の地獄旅行だ。
「それにあいつならお前みたいにはしゃぎまくってどこかへはぐれちまったよ」
「ふ~ん。そうなんだ……」
「そういうわけで、俺は一刻も早く捜しに行きたいわけだ。だからもう行っていいだろ?」
「………………」
「お~い、彩崎さ~ん?」
何故か突然、彩崎は手を顎につけ黙り込んでしまった。
「せっかくこんな面白いネタをゲットしたんだから何か…………」
「こりゃあ聞いてねぇな。じゃあ改めて俺はこれで」
「………………あ、そうだ!にひひひっ!」
すると、何かを閃いたようで満面の笑みで笑いだした。
「ちょーっと待ってもらおうかツッチー!」
うわぁ~、この人無邪気な子どものようにニヤニヤ笑っちゃってるよ。
彩崎がこんな風に笑う時は大抵なにかしらの悪巧みを思いついた時だけだ。
最初のコメントを投稿しよう!