244人が本棚に入れています
本棚に追加
/848ページ
「俺はどうしたらいいんだ…」
つい、そんなことを口走っていた。
「瑠花が、紂に行くのは知ってるな?」
頷く。
「お前も紂に行きたいか?」
行が真っ直ぐに目を見て聞く。
「…行きません。 」
自分の心を、探るように言葉を選ぶ。
「そういう事ではないんです。
想いで彼女を縛り付けるわけにはいかない。
俺は、俺のするべき事をして、釣り合う男になっていたい。」
行は微笑み、流は口笛を吹いた。
親方たちに、先に帰らせてもらう。
少し夜風にあたって帰りたかった。
最初のコメントを投稿しよう!