6.鷺草と蛍火

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♯ 食堂らしきところで待たされていると、 複数の足音が聞こえた。 その中でも軽やかな一つを認めて手元の下駄を一撫でする。 「お待たせしました」 鈴のような声と共に瑠花が現れた。 他の足音の主は、 階段のところに留まっている。 女の子の気配が華やかで、それだけで子晏はこそばゆくなった。 「これ」 差し出す。 瑠花は すっとかがんで履く。 何度か踏みしめ、呟き、歩き回った。 「どうだ?」 少し声が震えたかもしれない。 そんな自分に違和感を覚えた。 「素晴らしいです!本当にありがとうございます。」 そう笑った顔が、眩しくて、まっすぐ見られなかった。
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