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「 ええっ?それは......
でも」
「俺は大工として、小屋を建てて工房を作った。そこで笑うアイツを見ていたかった。
ババアになっても、靴作るって言ってたからな。
......アイツが、病がちになって俺は大工を辞めた。靴職人として一から出直した。
工房は俺らの子供みてえなもんだから潰すわけにはいかねえ。」
初めて聞く話に混乱した。
子晏にとって親方は絶対であり、靴職人以外の何者でもなかった。
そして職人が一人前になるのに十年、食べていけるようになるまで二十年 。
途中で職を替え、なお若くして親方として指導している事実。
職人としての差だけでなく
工房を贈るという発想が
男としての器が違うと
思った
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