7.柿

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「 ええっ?それは...... でも」 「俺は大工として、小屋を建てて工房を作った。そこで笑うアイツを見ていたかった。 ババアになっても、靴作るって言ってたからな。 ......アイツが、病がちになって俺は大工を辞めた。靴職人として一から出直した。 工房は俺らの子供みてえなもんだから潰すわけにはいかねえ。」 初めて聞く話に混乱した。 子晏にとって親方は絶対であり、靴職人以外の何者でもなかった。 そして職人が一人前になるのに十年、食べていけるようになるまで二十年 。 途中で職を替え、なお若くして親方として指導している事実。 職人としての差だけでなく 工房を贈るという発想が 男としての器が違うと 思った
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