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左藤、御山、日下部ははっきりいって小物だ。
しかし皆、リーダー格の国崎 龍斗(くにさきりゅうと)を恐れていた。
"国崎はヤクザとも繋がっている"。
そういう噂があるからだ。
国崎はさっきから、村石がやられる所を椅子にどっかりと座り、目を細めて見ている。
その態度が好きじゃないが、俺は言える権限を持たない。持てるわけないのだ。
とはいえ俺は、こうやって無意味に虐められているのを見るのは嫌だった。
「(俺の自慢は…この正義感のはずだったのに)」
あの時の…"小学生の頃の記憶"が残ってるせいで、立ち向かうことが怖くなって、小心者(ヘタレ)になってしまったんだ。
依然聞こえる泣き声とうめき声に、俺は聞こえないフリをし、目を背けるしかなかった。
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