第一章 本当に先生の子?

6/15
前へ
/50ページ
次へ
小さな誤字脱字もなく、俺は『お見事です!』とひれ伏したい気分だった。 「終わったか」 いつの間にかリビングには先生と『あやちゃん』がいた。 ソファーに座る先生の膝の上にちょこんと座り、先生のデビュー作『赤い殺意』を読んでいる。 四歳の女の子が本格ミステリーを読めるのか疑問だが、ニコニコでかなりご機嫌な様子だ。 「では帰ってくれ」 「なっ!?」 冷たすぎる態度に俺はカチンときた。 「おにーちゃん?」 急に立ち上がった俺に『あやちゃん』は目を丸くした。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加