序章

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今時原稿はパソコンで打って、メールで送ることが多いのに、この先生は手書きで直接受け取ることを望んでいる。 どうやらまず担当に読んでもらい、実直な感想を貰いたいがためにそんな面倒なことをしている、らしい。 俺は正面玄関の自動ドアをくぐり、まずセキュリティの高さに驚いた。 (住んでいる人の許可を貰って中に入るタイプだぁ~!) 二階建てのちょっとボロい、どこにでもありそうな普通のアパートに住む俺にとっては、ドラマや映画の中でしか見たことのないものが、目の前に存在していた。 俺は教えられた通りに先生が住む部屋番号を押し、呼んだ。
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