序章

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一応神様はバランスを考えてくれたんだと、まだ学生で一ファンでしかなかった頃の俺はそう素直に思った。 無口で無愛想な彼はどんな賞を受賞しても喜ばないため、次第にメディアに顔を出さなくなっていった。 しかしそれでも数ヶ月に一回、何らかの形で世間に顔を見せる。 (こういう独りを楽しむ人って、独身貴族って言うんだっけ?) 独りで七宝に住む先生の心がわからない。 気難しいはずなのになんでメディアに出続けるのか。
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