序章

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そんなことをぐるぐる考えてインターホンを押せずにいたら、いきなりガチャリとドアが開いた。 「おにーちゃんがあいざわこーたさん?」 舌足らずな言葉遣いと共に小さな少女が開いたドアから出てきた。 「え……」 頭の中が真っ白になった。 出てきた少女は固まってしまった俺を不思議そうに見ている。 (え、誰? 先生は独身だよね? ここ、先生の家だよね?) 「おとーさんにあいにきたの?」 「おとーさん?」 「えっと、いちのせあやっていいます! よんさいです!」 元気に自己紹介をして、最後に頭をぺこりと下げる姿は愛らしい。 「一之瀬……? うぇぇぇぇぇっ!?」 先生の子供!? うそだー!!
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