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松子が家に帰ると、珍しく槐が後から帰ってきた。
「おかえりなさい、槐。」
槐は笑顔になった。
「ただいま、松子さん。迎えてくれる人がいるのは良いものですね。」
「そう言えば、いつも槐の方が先に帰ってたもんね。」
「これからは遅く帰るようにします。」
「ダメ!夕御飯が遅くなる。」
「松子さんに用意してもらう訳にはいきませんからね。」
槐は笑いながらキッチンに入った。
夕食の後お風呂を済ませ、二人は居間で勉強をしていた。
しばらくして、松子は思い切って槐に話しかけた。
「槐、私のこと怒ってる?」
突然の質問の意味を槐は測りかねた。
「何か怒られるようなことをしたのですか?」
「うん。」
松子は神妙に頷いた。
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