悲しきピエロ

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ある日、いつものように槐と松子が夕食後のデザートを楽しんでいると、幹樹から緊急招集がかかった。 「こんな時間に何事でしょうか?」 槐は急いで出かける準備をした。松子も食べ残っていたタルトを口に放り込むと、テーブルの上の皿を片付けた。 「黒龍で行きますよ。着物は大丈夫ですか?」 「今日は可愛くモンペにしたよ。」 松子は自分用のヘルメットを被り、槐の後ろに飛び乗った。二人乗りも慣れたもので、槐は松子を気にせずに飛ばせるようになっていた。 総務局入口ゲートで守衛たちに挨拶して、特命会議室に入るまで30分だった。 梅香が5分後に着いて全員揃った。 「既に君たちも知ってると思うが、先日湖のキャンプ場で女性の遺体が発見された。警察が犯人を捜しているが、捜査中に別の遺体が見つかった。それも3体もだ。」 「同一犯なの?」 梅香が眉間にしわを寄せた。 「まだわからないが、連続殺人の可能性も否定出来ない。」 「被害者は全員女性なのか?」 「そうだ。捜査は警察に任せてある。実は君たちに調べて貰いたいことがある。」 幹樹はスクリーンに写真を映した。 幾何学模様の描かれたカードが映し出された。 「何?トランプ?」
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