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「そんなに食べたのですか!?」
槐は穴があったら入りたいくらい恥ずかしくなった。
柑菜は嬉しそうに言う。
「工場長が問いただしたら、うちの製品が美味しいから食べてしまったと謝ったそうよ。良い子じゃない?私や人事課長は反対したのですが、工場長がカンカンで。解雇して悪かったわね。」
「いえ、私の教育が行き届かず、ご迷惑をかけました。」
「そう、あの子が槐さんのパートナーだったの。槐さんを落とすなんて、やっぱりただ者じゃなかったわね。」
槐は柑菜に照れ笑いをして、本題に話を変えた。
「実は、内密に人間を調べることになりました。ご協力をお願いします。」
柑菜が青ざめた。
「何かあったのね。うちの会社に怪しい人間がいるの?」
「いいえ、そうではありません。まだ事件かどうかすらわからないのですが、今のうちに人間を調べておくのが政府の方針です。」
「わかりました。全面協力します。」
柑菜は槐に握手して微笑んだ。
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