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サーベルを運んでいた男、実は近くのホテルの使用人である。
この地域のホテルというと、大概は決闘用のサーベルを玄関脇に飾り、立会人の資格を持つ者を置いている。
「どうやら貴殿方はご依頼主では無いようです。先客がいますので、そちらが済んでからと言う事にさせて頂きます」
使用人はドベンネの指先から逃れる様に、仮面の二人に背中を向けた。
(そうだ、早く行っちまえ)
決闘を申し込まれた男は心の中で叫んだが、ドベンネの一言で使用は動きを止めた。
「こっちの決闘は仮面狩りだぜ」
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