ドベンネ モリヒ

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  「仮面狩りの決闘は、全てに優先する‥‥でしたかな?」 立会人。 「約定書の冒頭の一文だな」 ドベンネ モリヒ。 立会人は持っていたサーベルの一本をドベンネに渡し、唖然とした表情でしりもちをついたままの男の前に立った。 「この決闘、立ち会わせて頂きます」 霧が出てから大分時間が経っている。 東の山の端からは、もうすぐ朝日が顔を覗かせるであろう。 「仮面狩りの決闘とて、決闘の理由の一つや二つは必要だろう?」 男は座り込んだまま立会人に手を伸ばした。 渡されたサーベルの重さ。 片手で持てる重さ。  
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