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  北部の貴族ドベンネ モリヒは、宮廷画家ナラロッチの新作披露の宴の夜、酒を過ごした。 二番鳥が鳴く頃、サロンの前で待たせておいた馬車へ向かうべく、未だ談笑の続くその場所の灯りに、ふらついた背中を向けた。 六月は末。 高地の湖畔の朝である。 吐く息は白い。  
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