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しかしながら、幸運なことにこのお役人、興味があるわけではないらしく、惨めな言い訳の掛け流し温泉にもたいした反応は示さず、うろんな目を俺に向け直した。
硝子に歪められた瞳は、何も映してはいまい。
お役人特有の、ただ事務的な流れ作業。
「参加の意志が固まりましたら、本日お渡しした書類を郵便局、又はコンビニ発送で交稜省まで提出ください。即日折り返しご連絡差し上げた後、戦線へご参加願うこととなります。尚、一ヶ月以内にご返答なき場合、参加の意志なしと判断されますので、ご注意を」
実に事務的な説明を残し、この眼鏡をかけた山椒魚のごときお役人は、深々と頭を下げた。
午前三時。俺の薄汚れた城には、同じくらい薄汚れた主と、見慣れぬ少女が一人。
冷えた空気にため息をついた。
感情の篭らないやつ。何につけても、いけ好かない。公務員って、なんで皆ああなるんだろうか。あんなやつらが集まってくるのかな。
明日には、書類の手続きをせねばなるまい。
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