オオカミ世界にようこそ!

オオカミ少女と俺

すると、部屋のドアが突然開かれた。現れたのは金色の瞳と茶色い髪を持った少女だ。

「やっと気が付いたようね」

少女は俺の姿を見るなりそう言った。犬や猫の鳴き声のようによく通る声だ。

「お前が俺をここに連れてきてくれたのか？」

「ええ、偶然あなたが倒れているところに出くわしたの。ここまで運ぶのは結構大変だったんだから」

どうやら俺は洞窟を出た所で意識を失ったらしい。あの時は本当に死にそうだったからな。

俺はふと少女が濡れた布を持っていることに気付いた。よく見ると俺の服も綺麗にたたんで脇に置いてある。着替えさせようとしてくれたのだろう。