オオカミ少女と俺

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よく見ると、少女には鋭い爪や尻尾まである。さっき少女の声が犬や猫の鳴き声のように聞こえたのもうなずけた。 「ここは一体どこなんだ?」 「あなたから見たらいわゆる異世界ね。ここはオオカミ達が暮らす世界よ」 異世界……。本来俺が居た世界とは異なる世界か。 「どうして俺はこの世界に迷い込んだんだ?」 「さぁ~。本当に極まれにだけど、あなたみたいにこちら側にやってくる人間がいるのよ」 少女はのんきに答えた。 だが反対に俺はそうものんきに構えてられない。どうにか元の世界に帰る方法を考えなければならない。 「そうだ、あの洞窟を戻れば元の世界に……」
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