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「あっ!!ハル!!
もうすぐ頂上だよ!」
『上で見る夕焼けが綺麗。』
ハル君が言った言葉を思い出して、私は
夕日の方を見た。
山と山の間に、ゆっくりと入っていく夕日。
少し歪んだ形の夕日が、山々と一体化してる。
「………きれー……。」
思わず、繋いでる手をぎゅっとする。
「ね!ハル!!
ホントにキレイ………。」
興奮して、ハル君の方を振り向こうとした時、自分の頬に何かが触れた。
それは、ハル君の手だった。
「………ハル……?」
名前を呼ぶが、返答はない。
ハル君は、黙って真剣な目で私を見てる。
どれくらい、そうしてたんだろう。
「かおる……。」
私を呼んだと思ったら、ゆっくり近いてきて……。
視界が、悪くなって。
それが、キスだったって事に気付いたのは、再びハル君が離れた時だった……。
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