プロローグー明里ー

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「俺もよくわかんねんだけど、俺の直感?本能?が、明里が[運命の人]だって言ってる。」  冗談じゃない真剣なまなざしでわたしの目をじっとみる。 わたしの存在そのものを優しく包み込んで離さないような、千秋の熱く優しい視線は、その時からずっとわたしの心をギュッとさせ、一瞬たりとも、頭から離れなかった。  「難しいこと言いたいんじゃないんだけどさ、遺伝子とか原子、分子とかなのか、よくわかんないけど、とにかく...んーあーもうわかんねぇ(笑)まぁそういうレベルで、明里のこと好きだ!!”好き”っていう言葉じゃ、俺の気持ちの一億分の一もあらわせてないけど、俺…。馬鹿だしそんな言葉しかしらないからさぁ……。明里……。俺の一生になってくれ」 「……。え?ちょ!一生になるって、どういうこと?」 「世の中の形にこだわるわけじゃないけど、結婚するってことで、一緒にいられる権利が、もらえるなら…その……明里と結婚したい」 「まってだって、まだ私たち学生だよ?」 「今すぐじゃないし、でも、とにかく一緒にいたい明里とずっと。爺ちゃん婆ちゃんになっても。」 と言って、千秋は小さな箱を取り出した。 「まだ、金ないし箱だけだけど」 中には、[明里専用、婚約指輪待ち箱]と書かれた紙が、一枚はいっていた。 「いつか、この中に指輪入れてプロポーズするから……。」 決まり悪そうに、頭をかいてる千秋が、たまらなく愛しい。
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