プロローグー千秋ー

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「なぁ、明里…。俺ら、ずっと一緒にいような」 抱き寄せると、髪から漂う優しい女の子独特のいい香りが俺を包み込む。 「そんなこと言っちゃっていいの? 後悔してもしらないんだから」 明里は、いつもように笑顔を浮かべた。 「後悔?そんなんするはずないじゃん、明里に会って初めて人を愛することを知ったんだ。永遠の愛があるってことも」 「千秋はすごいよね、それで何人の女の子を泣かせてきたの?」 「おいおい、茶化すなよ俺は本気で言ってるんだから」 「ありがとう、でもね、[永遠の愛]なんて言っても…。」 「明里はまったく、”わたしも千秋のこと好きよ”くらいいえないのかよw」 「そうだね…。」と笑う瞳の奥に、触れることのできない寂しさがみえる。 「なぁ、もし別れることがあっても一年に一度約束の場所で会うってどうかなぁ?」 どうしてそんな言葉が出たのかは分からないが、明里のか細い、震えるような声に、一瞬、別れの気配を感じたのかもしれない。 「どうしようかなぁ」 「まぁそもそも別れるなんてありえないし、こんな話やめようか。明里」 「どうしようかなぁ」の先の言葉を飲み込むように、明里の唇に唇を重ね、ありったけの愛を込めて、激しく、熱いキスをした。
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