14人が本棚に入れています
本棚に追加
｢悩みがないとは素晴らしい、ではちょっとだけ、貴男の少し先の未来を占いましょう｣
｢未来なんて知ってもどうしようもないよ、占い師さん｣
｢私は八雲と申します｣
八雲は軽く会釈した。狐面が樋口を鋭く見つめる。
｢八雲さん、俺は占いなんて信じないし、いま所持金が千円ちょっとしかない｣
樋口は財布を八雲に見せ、所持金が無いことを言った。八雲は｢お金なんていりません。これは私の気まぐれですので｣と首を振った。
樋口はしばらく宙を見て考え、｢少しだけなら｣と占って貰う事にした。
最初のコメントを投稿しよう！