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八雲は踵を返し、樋口を奥に案内した。
店の中は薄暗く、等間隔に行灯が床を照らしている。
壁には様々な顔をした狐面が飾ってあり、下からの行灯の明かりで照らされ不気味な輪郭を浮かばせていた。
長い廊下を歩くと、襖で仕切られた部屋があった。八雲は襖を引き、樋口を先に入るよう促した。
部屋に入ると、更に沢山の狐面が樋口を見据えていた。部屋の奥には朱色の布が掛けられた机がある。部屋の灯りは行灯と提灯だけであり、部屋全体を包む灯りがゆらゆらと揺れていた。
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