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祐太郎を通じて他の四つ葉のクローバーのメンバーたちも瑞啓の教えに触れる機会に恵まれる。
恋愛・友情・家族愛・将来の夢。
どれもが大切で、だからこそ悩みながらも成長をしていった四つ葉のクローバー。
靖に続いて初体験を済ませた祐太郎の悩みも尽きなかった。
恋愛に関しては思うような結果にはならなかったが、同じく霊感体質だった慶太が秘密裡に亡くなった先輩の霊を何度も憑依させ、異変が現れだした。
その時に、祐太郎は彼らを救うために修行に入る決意をしていた。
平日は瑞啓の寺から学校に通い、一人息子の祐太郎が両親に会えるのは休日か長期休暇の時だけ。
本人の希望とは裏腹に、高校生の頃には瑞啓の助手としてプロの霊能者の仲間入りをしてしまう事になる。
やがて瑞啓に死期が訪れる。
まだ高校生だった祐太郎にとって、三人目の親とも呼べる人の死。
たとえどんなに大切に着実に一流霊能者ともなれる修行を積んできて多くの死後の魂に触れてきたとしても、やはりそれはどうしても受け入れ難いものだった。
けれど、持ち前の気の強さを発揮して、瑞啓の末の弟子として見事に浄霊の技能を伝授され、入門修行を終えた。
そして、死期間近な瑞啓が、緩やかに祐太郎たちを瑞啓一門の兄弟子たちに引き継いでいく。
瑞啓が育て上げた十二人の聖者の集団。
末の十二番目の席には、祐太郎が座る。
瑞啓亡き後、祐太郎を導く十一人の兄弟子たち。
誰もが、祐太郎の自慢になる。
祐太郎はとある強大な魔物と対決する事を決め、二代目瑞啓一門筆頭となった一番兄弟子の隆啓たちに支えられて入山修行を決意する。
憂鬱と溜め息を感じながら入山してみたが、それにまつわる人々たちとの出会いが、祐太郎の人生をより豊かに輝かせる。
影山晃一。
瑞信・瑞明・玲信・潤信。
そして、兄弟子たち。
多くの感動を秘めた入山修行。
実は、それは祐太郎を襲う悲劇の前触れだった。
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