前作のあらすじ

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瑞啓の追善大法要の奇跡を越えて、多くの高僧たちの導きを受け、大寺院が一人前の導師格の霊能者として認めた祐太郎。 帰ってきてやりたいことが山ほど有った、その日。 失恋をして意気消沈していた時にもたらされた、両親が大事故に遭ったという思いがけない報せ。 兄弟子の栄啓に付き添われ、病院にやって来たら父は即死だった。 四つ葉のクローバーも鎌倉の叔父夫婦と従姉の明美も駆け付けて、全員で祈る中…。 懸命の治療を受けていた母まで亡くなってしまう。 父の検死など、祐太郎は半狂乱になって生まれて初めて絶望というものを味わう。 事故を起こした人も即死。 誰かを怨ませてくれと泣き崩れた。 祐太郎の導師格霊能者としての最初の仕事は、両親を昇天させる事だった。 平穏で満ち足りた大学時代の締め括りに待っていた、悲劇。 祐太郎を心配した慶太と靖は、祐太郎の家に転がり込み、共に暮らすようになった。 凱は飼っている犬が産んだ仔犬を自分の代わりだと連れてきて、祐太郎が“善”と名付けた。 周りの者の思いに助けられ、立ち直った祐太郎たちは、大学の卒業旅行をする。 その旅先で冤罪事件を四人で力を合わせて解決した。 その事が、不遇な家庭環境で育った慶太が心から尊敬する織原判事との養子縁組の切っ掛けになる。 医師国家試験に合格し、学生結婚をした凱。 裁判官への道を真っ直ぐに歩む慶太。 経営者になりたい靖は、エリート銀行マンになって経営のノウハウを学ぶ日々を送っている。 そして、エリート商社マンとして貿易に関わる本業をしながら霊能者の仕事もこなしていた祐太郎。 両親の遺産や叔父の会社の役員報酬、霊能者としての副収入も有ってなかなかユトリの有る生活をしていた。 そんな矢先に、瑞啓一門の兄弟子たちのうち二人が阪神淡路大震災にみまわれて亡くなる。 一門に広がる大きな波紋。 一人一人が優秀な分、個人の負担が大きくなりがちな瑞啓一門の問題が一気に表面化した。 そこで持ち上がったのが、瑞啓の直門格とも言える“直門全員の直門”の育成。 ただ、人材育成に夢中になりすぎて流れ作業になったりしないで、あくまで一人一人を丁寧に指導していこうと話し合った。 その一人目の候補者が、影山晃一少年だった。
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