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それは、四葉のクローバーが共有する室町時代後期の前世ではなく、まだ鎌倉時代であった頃。
東国の鎌倉に源家が幕府を立てた。
初代将軍である頼朝公が亡くなって、朝廷は幕府倒幕を画策した。
国主である朝廷側に付くか、国賊となっても幕府に残るか幕臣たちが浮き足立った時。
幕府存亡の最大の危機。
それを阻止したのが、全国の武家に召集をかけて従わせ、一人でまとめて朝廷に対抗したのが頼朝公の妻である政子尼将軍。
「思い出してください。
公卿の方々にしいたげられる我ら武家を、ここまでお守りくださったのはどなたと心得ますか?
亡き頼朝公のご恩は山よりも高く、海よりも深いのです…──」
畳の上から戦場に行って来いと命令するだけの公卿たちとは違って、公卿たちの刀として道具のように扱われていた彼らと共に命を懸けて戦場を駆け巡った皇室の流れを汲む源氏の統領。
その初代鎌倉将軍の最も近くで鎌倉幕府を立てた本当の立役者。
古来、官位は父系。
財産は母系。
そんな気風がまだ残っていた当時、戦国時代に嫡男が全てを相続していかなくては現実的ではなくなるまでは母権は非常に強く、妻の実家の力は婿にとっては実家の権勢と同じくらいに重要だった。
その尼将軍・源政子の名演説は今も語り継がれる。
その将軍正室の実家である、将軍家の最大の後ろ盾。
執権・北条氏。
鎌倉将軍実権は陰謀の果てに政子の実子の三代将軍が薨去した後は傀儡となってしまったが、幕政の優位とその実権は執権家の北条氏が保持し続けた。
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