『Ⅰ.営業員 雷』

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    ある盲目だった川獺が言った。 『人間は草花よりも小さい。 草むらの草花は踏まれようと、 むしられようと、 文句も言わず。 森の木々は伐られようと、 折られようと 泣き叫ぶこともしない。 集まって 主人顔して騒ぎ立てることもなく。 私の見た喧嘩は葦だった。 私の見た火事は糠だった』
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