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無性に止まらず流していた涙もいつの間にか止まっていた。
私は残っていた力を振り絞ってゆっくりと立ち上がる。
「大丈夫?」
私に傘を差してくれた人が心配そうな声で聞いてくる。
私は「大丈夫です」と答えると、傘の影から顔を出した人物を見た。
私は驚いた。
驚きのあまり足の力が抜け近くにあった大木にドンっとぶつかってしまった。
私の目の前には黒のシャツにパンツというラフな格好をした私と同い年ぐらいの男が立っている。
タレ目で鼻が高くすごく整った顔をし、明るくて常に笑顔で優しそうな雰囲気の人だ。
そして、雰囲気や目など違う所が所々あるが3年前にこの世を去った私の彼氏の守山魁(モリヤマカイ)にそっくりだった。
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