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咲等校は、教育科の先生達が叫び回るわりに、生徒達はなんとも自由を保っている。
「なーそいやさ、今日裏門に可愛い子いたよな!」
ハルがジュースを買いながら、リクに言う。
「あ?・・・あー・・」
「昌秋とさ、転校生じゃね?!って言ってたんだよ。やばくねアレは!うちのクラスこねーかなー」
「・・・何か話したりとかした?」
リクは聞いてみる。
昌秋は首を振った。
「ハルは声かけて、びびられてやんの」
「うっせ!あれはぜってー、お前が横にいっからだろーよ!」
昌秋は元バスケ部で、学年で1番背が高かった。
おまけにがっちりと筋肉質で、小柄なハルといれば、更に威圧感が増す。
「・・・じゃ、向こうから話し掛けてきたりは、なかったん?」
「昌秋がいたんじゃ、そりゃねぇって~。何、リク声かけられたわけ?!」
リクは一瞬困ったが、肩をすくめた。
「なわけねーよ」
「あっはっは!」
キーンコーン カーンコーン・・・
「やっべ鳴っちった!」
「いや、待て。俺まだお茶とオレンジ迷ってる」
昌秋は自販機とにらめっこ中。
「はぁ!?オレンジでいーだろ!置いてくかんな!」
ハルは昌秋を置いて、走って行った。
リクは一応、昌秋を待ってから一緒に向かった。
昌秋は結局、カフェオレにしたらしかった。
そんなこんなで、一日はゆるくあっという間に過ぎていった。
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