裏門の少女

4/7
前へ
/25ページ
次へ
咲等校は、教育科の先生達が叫び回るわりに、生徒達はなんとも自由を保っている。 「なーそいやさ、今日裏門に可愛い子いたよな!」 ハルがジュースを買いながら、リクに言う。 「あ?・・・あー・・」 「昌秋とさ、転校生じゃね?!って言ってたんだよ。やばくねアレは!うちのクラスこねーかなー」 「・・・何か話したりとかした?」 リクは聞いてみる。 昌秋は首を振った。 「ハルは声かけて、びびられてやんの」 「うっせ!あれはぜってー、お前が横にいっからだろーよ!」 昌秋は元バスケ部で、学年で1番背が高かった。 おまけにがっちりと筋肉質で、小柄なハルといれば、更に威圧感が増す。 「・・・じゃ、向こうから話し掛けてきたりは、なかったん?」 「昌秋がいたんじゃ、そりゃねぇって~。何、リク声かけられたわけ?!」 リクは一瞬困ったが、肩をすくめた。 「なわけねーよ」 「あっはっは!」 キーンコーン カーンコーン・・・ 「やっべ鳴っちった!」 「いや、待て。俺まだお茶とオレンジ迷ってる」 昌秋は自販機とにらめっこ中。 「はぁ!?オレンジでいーだろ!置いてくかんな!」 ハルは昌秋を置いて、走って行った。 リクは一応、昌秋を待ってから一緒に向かった。 昌秋は結局、カフェオレにしたらしかった。 そんなこんなで、一日はゆるくあっという間に過ぎていった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加