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空気の存在を忘れているように、僕は両親の存在を忘れた。
パパやママが心配してくれているのに、その心配がウザかった。
何を言われても腹が立った。
「大丈夫か?」
仕事で遅かったクセに、いつの間にか早く帰ってくるようになったパパの言葉に僕はキレた。
僕はバカだ。
今なら判る。
でも判らなかったんだ。
空気があって、僕は息が出来ていたことに。
判らなかったんだ。
太陽と水ばかりを欲した僕が、どうして生きていられたのかを。
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