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この場所にしかない不思議なリンゴの木に登って、紫リンゴにかじりついていた。 銀色の剥げた変なとかげ。 銀色は剥げているけど、間違いなく僕のとかげだ。 「さ、見つけたよ。早く戻っておいで」 とかげは僕を見て、りんごを見て、僕を見て。 名残惜しそうにもう一口だけ食べてから、僕の鞄に向かって跳んだ。 「ふぅ」 しかし、食べ物を目指して脱走したのこれで何回目だっけ。
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