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「もう、こんな遅くまで何処に行ってたの!」
お母さんが心配そうな顔で出迎えてくれた。
とかげが逃げたからだなんて言えなくて、もごもご誤魔化す僕。
「……まあ、危ない事をしてないなら良いんだけど。そうそう、ちょうど良かったわ。今新しい刺繍が終わったところなの。貴方が幸せになれるよう銀糸に願いを込めてるんだから、大事にするのよ?」
お母さんから渡されたパンツのお尻部分。
今にも走り出しそうな、荒々しい銀色猛牛がそこにいた。
「……あ、うん。ありがとう」
今度は逃げないと良いんだけど。
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