2/2
前へ
/12ページ
次へ
「もう、こんな遅くまで何処に行ってたの!」 お母さんが心配そうな顔で出迎えてくれた。 とかげが逃げたからだなんて言えなくて、もごもご誤魔化す僕。 「……まあ、危ない事をしてないなら良いんだけど。そうそう、ちょうど良かったわ。今新しい刺繍が終わったところなの。貴方が幸せになれるよう銀糸に願いを込めてるんだから、大事にするのよ?」 お母さんから渡されたパンツのお尻部分。 今にも走り出しそうな、荒々しい銀色猛牛がそこにいた。 「……あ、うん。ありがとう」 今度は逃げないと良いんだけど。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加