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同い年の7人のなかの唯一の男子部員、田中 龍太が絵を描くのをやめて顔を上げて声を発した。
こ、小人になるって…。
今、わたしのことかばってくれたんだよね…?
さりげなく小さいことけなされた気がする……。
田中くんの真面目そうな見た目のその口からでた、「小人」という言葉のギャップに先輩たちは軽く吹いてから、わたしに謝り、自分で物をとりにいった。
真意を探ろうと田中くんの方を見たときにはすでに絵を描くことを再開していた。
部活動の活動、終了時刻の5時がまわり、部員みんなそれぞれ帰る準備を始めた。
「今日は、あたしたちが鍵当番の日だよね?」
大村 夏希先輩がわたしに向かって声をかけた。
大村先輩は2年生で、前髪をいつもあげているのが特徴である。髪の長さは胸くらいまである。
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