R.B.

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 町外れの森を抜け、幽霊屋敷と噂される洋館へとつれ込まれた。 洋館に入るなり、俺は両腕を後ろに組まされ、縛り上げられる。  何が起こるのかはわからないが、とにかく俺が危機的状況にあるのは確かだった。 「おい、俺をどうするつもりだ?」 「……」  かろうじて動く足で抵抗を試みるも、あっさり引き摺られてしまう。  なにをされるのか。 そんなことよりも一言も発しない男に対する恐怖のほうが強かった。  そんな事を思っている間に、階段を上り、一際大きな扉の前に立った。 そこで男はノックをする。 「開いてるわよ」  中からは女の声がした。 男がノックをするということは、女のほうが立場が上ということだ。  つまり、こいつらは賊か何かで……。 いや、それなら男は俺の身包み剥いで始末すれば片がつく。 じゃあ、どういうことだ。  考えている間に、ギィと耳障りな音を立てながら扉が開いた。 しかし、男は扉をくぐらずに、俺を投げるように突き飛ばして去っていった。 「あらま、相変わらず強引ねぇ……」  執務室のような部屋には女がいた。 机の上には大きな熊のぬいぐるみが置かれていて、異質な空気を放っている。  女は明らかに男物のTシャツにスキニーパンツという不思議な格好をしていた。 髪型は至ってシンプルなミディアムヘアだ。 Tシャツが胸ではちきれんばかりに膨らんでいるが……どういうファッションセンスをしているんだろうか。  赤色の瞳が俺を見つめる。 そして近づいてきて俺の後ろに回る。 「俺をどうするつもりなんだ?  殺すなら、さっさと殺せよ!」 「うーん、誤解しているようだから言っておくケドォ……別にアンタをどーこーしようって気はないわぁ」  女はあっさりとあるいはあっけらかんと答えた。 「じゃあ、どうしてこんなところに……」 「えっと、まず確認させてねぇ……アンタは自殺しようとしていた。  オーケー?」 「あ、ああ」  突然の質問返しに驚きながら答えた。 次に予測できる言葉は何通りかあるが、そんな奴に人権はないとかそういったものだろう。
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