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任務完了はしたがさっさと脱出しないと思い、すぐに行動に移る。
携帯電話で仲間に連絡をする。
「ハローカイン~任務完了したよん。脱出経路言って」
カインと呼ばれた青年は無事に完了したことに上機嫌に応える。
「わーってるって……ほらシエル頼んだ」
「わかった」
そう言うと、シエルから不思議な力が溢れ出した。
このシエルという女の子には特別な力があり、念じる事によってどこに何があるか現在状況が一キロ圏内なら把握出来るのだ。
なぜこんな力があるのかは本人もわかっていないが、空間認識をいとも簡単にしてしまうと解釈してくれれば良いだろう。
それに追加して認識していれば誰がいるかもわかってしまう便利な能力だ。
「この経路なら誰にも会わないわ」
シエルはカインが入手した見取り図で教えながらレオンを誘導する。
「今回簡単なわりにはギルド公認だからたんまり貰えるな。帰ったらぱーっと使おうぜ」
「そんなことしてるからいつまでたっても貯まらないのに……まぁ今日ぐらいはいっかな」
カインもレオンも金に対してはあまり計画性がなかった。
そんなこと言っているから毎回金がすぐなくなってしまう。
一番年下のシエルが度々悩ませてしまうという事実があった。
「脱出成功」
レオンが壁を飛び越えると車がすぐに来た。
「今回は時間ピッタシじゃねぇか」
「車はすぐ、くるまってんだよ」
カインのくだらないダジャレに二人共寒いと思わずにはいられない。
「カイン……おやじだよ」
シエルの当然の反応に、レオンも同意しながら。
「言われてやんの」
「うるせーさっさと町にもどるぞ」
カインは言った事を後悔しながら、車をスナイプタウンに向かって走らせた。
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