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第4話ミシン
ミシン
あれは〇〇君が小学五年生のころの話でした。
家庭科の授業中、被服室でミシンを使って雑巾を縫っていました。
ダダダダダと大きな音を立てながら、ずんずん縫っていきます。
ミシンはそんなに広くない教室の壁ぎりぎりに横に並べて配置されていたので、必然的に隣の人との間隔は狭くなります。
隣の人は、その隣の人と喋っていました。
〇〇君はただ無心に縫っていました。
そのときです、
ゴドド
と、隣のほうからミシンのリズムでミシンの音でない、
そんなものが聞こえてきました。
ん?なんか・・なんかちがうよなこの音
って思い、その隣の方をみると
ドド…ド・・
隣の人の中指が、ミシンによって縫われていました。
まあみてすぐにとまりましたが。
隣の人は呆然とし、数秒後、
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!」
と叫び泣き出しました。
〇〇君は驚愕して、其処を凝視したのです。プクー・・とミシンの針で空いた穴に血が浮かんできて、
小さな血溜まりができてました。
けれど〇〇君は内心嬉しくて仕方なかった。
なぜなら〇〇君はその人の事が大嫌いだったのです…。
ミシン 終
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