僕のおとしもの

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暗い足取り、騒がしい夜の町。 もううんざりだ。家族や恋人、そんな明るい存在たちに彩られた表の世界。そんな当たり前の世界に、どんなに憧れたか… しかし今、篠田 太一が立つその世界は、金と嘘が渦巻く、暗く深い闇のなかだ。 これから、僕はどうすればいい? そう問いながら夜空を見上げる。すると、ひとつの結論が導き出された。まるで、暗い闇のなかで、ぽっかりと空いた出口のようだ。光が溢れ、そしてその光は、僕を誘い、僕の物であるはずの二本の足を動かした。
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