序章

5/6
前へ
/21ページ
次へ
「あの、庵さん、今のは…?」 先程の光景を見て 厳は不思議に思う。 「譲渡、と言ってな。」 「譲渡?」 「一言で言うと時間のやり取りだ。」 「まんまですね。」 「厳、お前の時計を見てみろ。」 「時計、ですか…」 厳は先ほど貰った時計を取り出して眺める。 「私が増やしたのはそこの上の時間、即ち生の時間だ。」 厳は依然として時計を眺めている。その間も時間は動く。 「私から話すことは以上だ。百聞は一見にしかず…後は自分の目で確かめて学んでいけ厳。」 和、薫。後は任せた。 といって庵は部屋を退出した。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加