愛情と欲望と願い

何もない

木村さんと近くの居酒屋に来た。

…正直都会に来て四年で初めて他人とメシを食う。

「で、どうしたんや？なんか悩みか？金なら断るで。」

え…？なんでそうなる!?

「いや!!違いますよ!!…変な話していいですか？」

「まぁ後輩の悩みなら聞いたらんとな。どないしたん？」

「あの…木村さんは…えっと…なんかやりがいとか人生においての目標ってありますか？」

「は？…えっと…それはなんか宗教的ななんか？」

「いえいえ!!なんというか…趣味とか」

「ないなぁ…まぁ基本的にたいていは本気でってのおらんのちゃうか？」

「最近それが苦痛でやる気も何もかも奪われていくような感じで…」

「んー、まぁわからんでもないけどある意味贅沢ちゃうかな？みんなそんな状況でも頑張って生きて今があるんやから」

「そうなんですかね…でも木村さんも生き甲斐とか無いんですよね？」

「ん…？まぁちょっと違うかもやけど…好きな人が今はおるよ。」

え…こんなオッサンの恋!?ヤバい!!興味ある!!