短編集

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前に自分から話してもらったことがある 俺と出会う前にいた北条家の事、小雪は元々生まれも育ちも小さな村出身で 北条家は権力の強い名高い貴族で、都で働いていた先で魅入られ嫁ぐ事になったという でも、時頼とは何故か子宝には恵まれず小雪には子が成せなかった。 側室の妻もあってそれが親族にとって大きな不満となりあいつは小雪を… (小雪)「今 お茶を入れてきますね」 (劉黒)「………」 都に帰せないでいたのは 時頼という男はろくでもない奴だから 実家の村にだって嫁いでいった先で辛い事があったとなるときっとあいつは帰り辛くなるだろう… “だったら俺が‥” 「コト…」 (小雪)「お疲れでしょうから少し熱めに入れておきました」 (劉黒)「小雪、」 (腕をつかむ) (小雪)「‥‥?」 (劉黒)「俺の嫁にならないか?」 「――…!!」 (劉黒)「お前はいい女だ 俺の嫁になってくれ」 (小雪)「……でも、私‥」 お盆を持っている手が震える (小雪)「…っ ごめんなさい 私……」 (涙)「―…ポタッ」 (劉黒)「…俺は 心底お前に惚れたから‥好きなんだ。時頼の言ったことなら‥ お前が気にするな」 「俺の傍にいろ。」
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