短編集

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(小雪)「――…ッ」 (劉黒)「すぐに答えを言わせる気はない‥ 整理がついたらでいい。お前の気持ちを聞かせてくれ」 (小雪)「‥‥」 本当はまだ、こんなこと言うべきじゃなかったのかもしれない 時頼に捨てられた恐怖を忘れられないのか戸惑いに耐えきれずあいつはその場から飛び出した。 「―――――――。」 (劉黒)「…あんな事があった後じゃ俺も少し軽率に傷つけること言ってしまったんじゃないかって、 小雪の気持ちを考えたら不安にさせちまうよな…」 (玉串)「 それでも 好きだったんだろ」 (劉黒)「あぁ」 (祢々斬)「なら、どーんと構えて待ってやりゃいいだろ けど、お前 このままずっと待ったままでもいいのか? 待つにしたって何年っつーわけにもいかないだろ? やっかいなもの抱えてる中で ―――」 (劉黒)「…いいんだよ、俺は別に ふられるならフラれるで本気で好きになった女なら本望だ。」 (玉串)「 フッ… 本望、か……。」 杯の水鏡の満月が風に揺れた。 「――――――……。」 (コオロギ)「リー… リー‥」 (小雪)「……。」 小雪は薄暗い部屋の月明かりの下で静かに白ユリの花を見つめていた 「――――‥」 あの人に命を救われここに置いてもらってもうひと月は経つ… なぜ自分は今ここにいるのか 本当だったらもう私はここにいてもいい理由が無い
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