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「あれ?」
ふと社(やしろ)を見ると、戸がほんの少しばかり開いていた。
いつもはきちんと鍵がかかっているのに。
智が戸を引くとすんなりと開いてしまった。
中は薄暗く、奥の方まではよく見えない。
覗き込もうと身を乗り出した時だった。
「うわっ!」
思わず躓き、中へと倒れ込んでしまった。
「いってー」
と、強(したた)かに打った額をさすりながら、手を横に伸ばすと、ちょうど柵があり、つかまり、立つ。
そこでふと思った。
(柵……? 社の中に、柵なんてあったか?)
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